2016.12.12

突然ですが、「ミニマリスト」ってどう思いますか?

こんにちは。少し間が開いてしまいました。最近は断捨離より銀シャリが気になるカシイトウタです。

「捨てる」って案外普通じゃね?

前回、「ミニマリストの第一歩は捨てること」なんて偉そうに言いましたが、考えてみれば「捨てる」って案外普通じゃね? って気がします。会社では年末や期末、異動なんかで机周りや共用部分を整理しますし、普段の生活でも大掃除や季節の変わり目、引越しのタイミングなんかで身の回りを整理しますよね。

そう考えると、この第一歩は、みんなが何ともなしにクリアしているんだな……ということに今さらながら気が付きました。

でも、「みんなが何ともなしにクリアしている」ということは、特に「ミニマリストを意識しているわけではない」、ということですよね。そこをあえて「ミニマリスト」と言うのであれば、そこには他にもっと特別な要素があるはず。

というわけで、その要素を探るべく、まずは「ミニマリストのイメージ」を身近な知り合いに聞いてみました。

「ミニマリスト」ってどんなイメージ?

image_enquete

今回話を聞いたのは、適度にムダな物が多く、片付けとは無縁で、常にモヤモヤしていそうな(失礼……)、30~50代の男女10人(男性5人、女性5人)。イメージ操作があってはいけないので、余計な説明はせず単刀直入に「ミニマリストってどうよ?」と聞きました。気になる結果は……コチラ!

  • 貧乏くさい、ケチくさい! …… 6人(男性2人、女性4人)
  • インチキくさい! …… 2人(男性2人)
  • 悩みながらも実践中! …… 1人(女性)
  • 「何それ、おいしいの?」 …… 1人(男性)

まぁ、最後の意見は無視するとして(笑)、なんと8割もの人が「貧乏くさい」「インチキくさい」といったマイナスイメージを持っていました。そこでミニマリストの説明と、最近では芸能人でも「自分はミニマリストだ」という人も増えているという話をしたところ、さらに

「お金持ってるクセにミニマリストとか言って、余計ケチくさいし腹立つ!」

と火に油を注いでしまいました……。この意見には苦笑しかないですが、どうしてかな? と考えてみたところ、「最低限の生活をする」という意味が誤って取られているように感じます。

  (1)「(お金がないから)最低限の生活をする」
  (2)「(無駄な物を省き必要なものだけで)最低限の生活をする」

だから多くの人が(1)のイメージを持っているのかな、と。そう考えれば「お金持っているクセに~」の意見も「なるほど」とうなずける気がしませんか。

物を捨てればミニマリストになれるの?

悩みながらも実践中」と回答した女性は、こんなことを言っていました。

「『断捨離』なんて大層な言い方してるけど、それって掃除と何が違うのかな。普段、部屋を掃除するだけでも気分はスッキリするし、それこそ自分と向き合う方法なんていっぱいあるでしょ。人それぞれだし」

むむ、確かにそうですよね。今まで汚い部屋に住んでいて、キレイにしたから気分もスッキリして自分と向き合えるようになった。じゃあ、普段からキレイ好きで無駄なものはほとんどないよ、って人はどうなるんでしょう。初めからミニマリストなんでしょうか? でも、きっと自分で「ミニマリスト」だなんて意識していないですよね。

そう考えると、「断捨離」という言葉も誤って理解されている可能性がありそうです。そこで、「断捨離の本当の意味ってなんだろう」と自分なりに考えてみました。

「断」「捨」「離」に分けて考えてみる

「断捨離」が禅の精神から来ている、ということは前回も触れましたが、これをそのまま現代にも当てはめようとするから難しい、と思いませんか。千数百年も前のそのころは無駄なものどころか必要なものだってそんなに手に入らないような、むしろ現代とは正反対の世の中です。

では、現代における断捨離の意味ってなんでしょう。それを知るためにはまず、「断捨離」というより「」「」「」とそれぞれ分けて考える必要があるように思います。

まずやるべきは「断」でした!

image_hirameki

Webからの引用で恐縮ですが、Wikipediaでは「断」「捨」「離」をこんな風に定義しています。

断:入ってくるいらない物を断つ
捨:家にずっとあるいらない物を捨てる
離:物への執着から離れる

今問題にしているのは「捨」ですが、一番初めに考えるべきは「断」、つまり「入ってくる不要なものを断つ」ことなんですね。断捨離って「断」→「捨」→「離」の順番で実行していくもので、それをいきなり「捨」から入ろうとするからダメなんだな、と私なりに解釈しました。

だから無理に捨てる必要はなくて、まずは「増やさないこと」が大事なんですね。それを意識するだけでも、少しは普段のモヤモヤ(「あれ、どこにしまおうかな……」など)から解放されるのではないでしょうか。

あとは、「自分の意志で断つこと」。人の意見に左右されて「どうしようかな……」なんて迷っているウチはダメ! 最低限の生活に必要なものなんて人それぞれ違いますから、自分の意志でしっかり決めて、しっかり断てるようにしていきましょう。

* * *

今回のアンケートは自分自身があまりに「ミニマリスト」への理解が足りなかったな、と気付かされる結果でした。お恥ずかしい限りです。みなさんも、この機会に自分なりの「ミニマリスト像」を考えてみてください!


書いた人:カシイ トウタ

1976年生まれ、東京都出身。紙書籍に電子書籍、Web記事の企画・編集、時にはライティングまでこなすハイパーメディアエディター(?)。IT系の雑誌・書籍、芸術・スポーツ系の電子書籍、旅行パンフの企画・編集などに携わる。「良い企画は出会いから生まれる」を信条に、新たな出会いを求め奔走中。

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